[JM:00192] Re: [POST:DP] man apropos.1

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2011年 3月 25日 (金) 12:23:42 JST


長南です。

相変わらず、仕事が早いですね。もう一度 DP で出してくださったのも、
よかったと思います。問題点について議論を続けることができますから。

まず、apropos と whatis のマニュアルは、ほぼ同文で、対になって
いますから、合わせて考えるべきだ、と言っておきます。

> .\"O .SH NAME
> .\"O apropos \- search the whatis database for strings
> .SH 名前
> apropos \- whatis データベースを文字列で検索する。

これは、私が挙げた訳例の一つですが、悪い訳例だったと思います。
なぜなら、「データベースを文字列で検索する」というのは、
あらためて読んでみると、当たり前すぎて意味をなしませんから。

やはり、「データベースで文字列を検索する」と言わなければならない
のだと思います。

# いや、「完全にマッチする単語ではなく、マッチする文字列を捜す
# という方法で」と解することも可能かも知れません。でも、ちょっと
# 無理があるでしょう。

> .\"O .SH DESCRIPTION
> .\"O apropos searches a set of database files containing short descriptions
> .\"O of system commands for keywords and displays the result on the
> .\"O standard output.
> .SH 説明
> apropos コマンドは、システム・コマンドなどの簡単な説明を収めた
> データベース・ファイルをキーワードで検索し、
> その結果を標準出力に表示する。

これは、日本語として意味のわかる、しかも実際に起きることとしても
筋の通った訳文になっています。ただ、こういうことが言えます。

この訳文は、原文を

  ... searches a set of database files ... for keywords with keywords
  (by keywords かもしれない)

と取って、原文では隠れている with keywords を表に出し、原文では
表に出ている for keywords を省略している (著者の表現よりも、
日本語として自然な方を選ぶということでしょうか)。わたしとしては、
訳者がそれでよいと判断して、意図的にそうするならば、構わないと
思います。それでも、「データベースファイルでキーワードを検索し」
と素直に訳しても、たいして変わらないのではないか、とも思うのです。
ここをどう訳すかは、「名前」セクションの訳し方や、whatis.1 の
同文の訳し方と、関わってきます。案外面倒なのです。

もちろん、わたしの意見は念のため言ってみたまでで、訳者の判断が
尊重されることは、言うまでもありません。

> .\"O .SH AUTHOR
> .\"O John W. Eaton was the original author of 
> .\"O .BR "man" . 
> .\"O Zeyd M. Ben-Halim released man 1.2, and Andries Brouwer followed up with versions 1.3 thru 1.5p. 
> .\"O Federico Lucifredi <fluci****@acm*****> is the current maintainer.
> .SH 著者
> .B "man"
> パッケージの原作者は John W. Eaton である。
> Zeyd M. Ben-Halim が man 1.2 をリリースし、引き続いて Andries Brouwer が
> versions 1.3 から 1.5p までをリリースした。
> 現在のメンテナーは Federico Lucifredi <fluci****@acm*****> である。

セクション名も「作者」にしてしまおう、というのがわたしの持論なのです。
セクション名が「著者」で、本文が「作者」というのは、アンバランスですし。

-- 
長南洋一




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