長南洋一
cyoic****@maple*****
2014年 8月 5日 (火) 22:14:09 JST
長南です。 大体結構だと思います。それでも、いくつか指摘すると ... まず、一般的な表記 (表示) の話ですが、man page では、"。" や "、" が 前後にあるときを除いて、英単語と日本語の間や、カッコの前後に空白を 入れるのが習慣です。その方が、見やすいのだと思います。たとえば、 このパラグラフで言えば、「表記 (表示) の」や「ですが、man page では」 のように。 ですから、「(各ジョブごとに一行ずつ)出力される行の形式は」や「at は 現在ではsetuidプログラムとして実装されているので」といったところは、 「(各ジョブごとに一行ずつ) 出力」や「現在では setuid プログラム」と した方がよいと思います。気がついたところだけでよいでしょうが。 それから、セクション名の「DESCRIPTION」は、「説明」と訳すのが普通です。 「解説」と訳すのは、FreeBSD の日本語 man page の流儀。at.allow, atd, atrun では、「説明」になっていますね。 > .\"O As > .\"O .BR at > .\"O is currently implemented as a setuid program, other environment variables (e.g. > .\"O .BR LD_LIBRARY_PATH " or " LD_PRELOAD ) > .\"O are also not exported. This may change in the future. As a workaround, > .\"O set these variables explicitly in your job. > .\"O > > .BR at > は現在ではsetuidプログラムとして実装されているので、ほかの環境変数(例 > .BR LD_LIBRARY_PATH " や " LD_PRELOAD ) > もエクスポートされない。これは将来変更されるかもしれない。回避策として、 > これらの変数はジョブ内で明示的にセットする必要がある。 最初の文は、少々論理がたどりにくい気がします。何のほかのなのか、 何と also なのかが、イマイチはっきりしません。また、「ほかの環境変数も すべて」と解釈されてしまいそうでもあります。 一応、訳例をあげてみると、 at は現在では setuid プログラムとして実装されているので、上記以外の 環境変数の中にも、エクスポートされないものがある (例えば、LD_LIBRARY_PATH や LD_PRELOAD がそうだ)。 also がうまく出ていないかもしれません。こういうのもありそうです。 あえてカッコを使わずに、 at は現在では setuid プログラムとして実装されているので、他の (or 上記以外の) 環境変数、例えば LD_LIBRARY_PATH " や " LD_PRELOAD のようなものもエクスポートされない。 > .\"O The superuser may use these commands in any case. > .\"O For other users, permission to use at is determined by the files > .\"O .I /etc/at.allow > .\"O and > .\"O .IR /etc/at.deny . > スーパーユーザーは、どんな場合でも必ずこのコマンドを使うことができる。 > 他のユーザーのパーミッションは > .I /etc/at.allow > と > .I /etc/at.deny > で指定する。 これは、前の訳のままですが、「必ず」はいらないのではないでしょうか。 それから、「パーミッション」は、分かりにくいと思います。たとえば、 「他のユーザについて、at を使用できるかどうかを決めているのは、 /etc/at.allow と /etc/at.deny の二つのファイルである」といったふうに、 "permission to use at" をきちんと訳した方がよいと思います。 文章の流れを考えると、もっとほかの訳し方になるかもしれませんけれど。 > .\"O If a job is submitted to a queue designated with an uppercase letter, the > .\"O job is treated as if it were submitted to batch at the time of the job. > .\"O Once the time is reached, the batch processing rules with respect to load > .\"O average apply. > 大文字のキューで予約されたジョブは、ジョブの実行時に batch で指定されたかのよう > に扱われる。 > 時刻になると、バッチプロセスは負荷平均の適用に従う。 一番目の文は「batch で指定されたかのように」がちょっと分かりにくいと 思います (だいたい分かる気もするので、まあ、これでよいだろうとも 思いますが)。たとえば、'echo "command" |at -q A' というふうに大文字の キューを指定した場合、そのジョブは、batch コマンドに渡されたかのように 実行される、ということですね。 二番目の文の私の解釈はすこし違います。「負荷平均が 0.8 か、または atd で指定された値を下回るとコマンドを実行する」という、例の話でしょう。 前文とのつながりを明らかにするため、接続詞を補って直訳すると、 すなわち (or 従って)、実行時刻になると、負荷平均に関するバッチ処理の ルールが適用されることになる。 > .BI \-t " time" > .\"O run the job at > .\"O .IR time , > .\"O given in the format [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] > .IR time > に、[[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] の形式で与えられたジョブを実行する。 これは、"at HH:MM MMDD[CC]YY" と "at -t [CC]YYMMDDhhmm" が等価だと いうことでしょう。 [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] の形式で指定された日時にジョブを実行する。 とか、 ジョブを time に実行する。time の書式は [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] である。 といった方が、曖昧さが少ないと思います。 > .B \-v > .\"O Shows the time the job will be executed before reading the job. > ジョブの読み込み前に、ジョブが実行される時刻を表示する。 こういう time が日付までを含む場合、私は「日時」と訳すことにしています。 もちろん、「時刻」で問題ありませんし、他の部分との一貫性を考えると、 「時刻」の方がよい場合もあります。 -- 長南洋一